MATH

初級者

数学Ⅲ:いろいろな曲線(旧課程では数学C)

ワイルズ ”大切なことは考え抜くことである.もし壁にぶつかってしまった時は,定石になった考え方は何も役には立たない.だから新しい考え方をする必要がある.”

¶いろいろな曲線


☆基本的な3つの曲線

放物線・楕円・双曲線の3つを学ぶ.なおこの一般式は数Ⅱでやった図形と方程式の方法で求められる.(ただし,計算は面倒臭い.)

またここで初期段階では式を覚えておけば特別なやり方は基本的にやらないので問題については省略する.媒介変数以降は難関大では重要です!


○放物線

定点\(F\)(焦点)と\(F\)を通らない定直線\(l\)(準線)からの距離が等しい点の軌跡を放物線という.


式と条件は次のようになる.

\(y^{2}=4px(p\neq 0)\)

頂点は原点.焦点は\((p,0)\)準線は\(x=−p\)となる.


※数学Ⅰでやるような二次関数(y=二次式)では

\(x^{2}=4py(p\neq 0)\)

頂点は原点.焦点は\((0,p)\)準線は\(y=−p\)となる.


○楕円

2定点\(F\),\(F^{\prime}\)(焦点)からの距離の和が一定である点の軌跡を楕円という.

一般式\(\displaystyle \frac{x^{2}}{a^{2}}+\frac{y^{2}}{b^{2}}=1\)において

中心は原点,楕円\(x\)軸,\(y\)軸,原点に関して対称である.

また

1,\(a>b>0\)のとき,

焦点は\((\sqrt{a^{2}-b^{2}},0), (-\sqrt{a^{2}-b^{2}},0)\)

楕円上のある点から2つの焦点までのの距離の和は\(2a\)


2,\(b>a>0\)のとき,

焦点は\((0,\sqrt{b^{2}-a^{2}}), (0,-\sqrt{b^{2}-a^{2}})\)

楕円上のある点から2つの焦点までのの距離の和は\(2b\)


○双曲線

2定点\(F\),\(F^{\prime}\)(焦点)からの距離の差が一定である点の軌跡を双曲線という.

一般式\(\displaystyle \frac{x^{2}}{a^{2}}-\frac{y^{2}}{b^{2}}=1\)において

共通点は中心は原点,楕円\(x\)軸,\(y\)軸,原点に関して対称.漸近線は\(\displaystyle \frac{x}{a}-\frac{y}{b}=0,\frac{x}{a}+\frac{y}{b}=0\)


頂点が\((a,0),(−a,0)\)

焦点は\((\sqrt{a^{2}+b^{2}},0), (-\sqrt{a^{2}+b^{2}},0)\)

双曲線上のある点から2つの焦点までの距離の差は\(2a\)


また,式\(\displaystyle \frac{x^{2}}{a^{2}}-\frac{y^{2}}{b^{2}}=-1\)において

頂点が\((0,b),(0,−b)\)

焦点は\((0,\sqrt{a^{2}+b^{2}}), (0,-\sqrt{a^{2}+b^{2}})\)

楕円上のある点から2つの焦点までのの距離の差は\(2b\)


☆媒介変数表示

一般に,平面上の曲線が\(x=f(t),y=g(t)\)と表されているときに曲線の媒介変数表示といい,変数\(t\)を媒介変数(パラメータ)という.


○楕円の媒介変数表示

\(\displaystyle \frac{x^{2}}{a^{2}}+\frac{y^{2}}{b^{2}}=1\)に対して媒介変数表示は

\(x=a\cos \theta,y=b\sin \theta\)となる.


○双曲線の媒介変数表示

\(\displaystyle \frac{x^{2}}{a^{2}}-\frac{y^{2}}{b^{2}}=1\)に対して媒介変数表示は

\(x=\displaystyle \frac{a}{\cos\theta},y=b\tan\theta\)


○極座標


ある点を\((r,\theta)\)で表示するとき,\((r,\theta)\)を極座標という.

直交座標\((x,y)\)を極座標であらわすと,

\(x=r\cos \theta,y=r\sin\theta\),\(r=\displaystyle \sqrt{x^{2}+y^{2}},\cos\theta=\frac{x}{r},\sin\theta=\frac{y}{r}(r\neq 0)\)となる.


○極方程式

\(r\)と\(\theta\)の式であらわされる式を極方程式という.


□一般の2次曲線の極方程式(あまり重要でない)

極方程式\(r=\displaystyle \frac{ea}{1+e\cos\theta}\)とするとき,


1,\(0<e<1\)のとき,原点を焦点とする1つの楕円を示す.

2,\(e=1\)のとき,原点を焦点とする1つの放物線を示す.

3,\(e>1\)のとき,原点を焦点とする1つの双曲線を示す.


○曲線について


□サイクロイド

定直線上に円を接しながら滑ることなく回転させた時,円周上のある点が描く曲線のこと.

半径\(a\)の円とすると,

\(x=a(\theta−\sin \theta), y=a(1−\cos\theta)\)


□アステロイド

例として一定の棒の端を壁と底に付けた状態で片方が壁と底の角の部分につくまで移動させるときに一番外側が描く曲線(一部)のこと.

式として\(x^{\frac{2}{3}}+y^{\frac{2}{3}}=a^{\frac{2}{3}}\)となる.媒介変数表示は\(x=a\cos^{3}\theta,y=a\sin^{3}\theta\)


□カテナリー曲線

ロープの端を持った時に自然にできる曲線のこと.

式としては\(y=a\left(\displaystyle \frac{e^{\frac{x}{a}}+e^{-\frac{x}{a}}}{2}\right)\)となる.ふつうは\(a=1\)が問題として聞かれる.特徴として,\(y=\displaystyle \frac{e^{x}+e^{-x}}{2}\)としたら,\(y^{\prime}=\displaystyle \frac{e^{x}-e^{-x}}{2},y^{\prime\prime}=\frac{e^{x}+e^{-x}}{2}\)から,\(y=y^{\prime\prime},y^{2}-y^{\prime 2}=1\)などとなる.


□カージオイド

極方程式\(r=a(1+\cos\theta)\)であらわされる曲線のこと.


※教科書ではほかの曲線ものっていますが,覚えなくてもいいと思います.