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コラム:問題の解き方について
¶問題の解法のアプローチ
問題を解くのにいろいろな方法がありますが,まず大元から考えましょう.
問
\(\displaystyle \frac{(t+1)^{2}}{2(t-1)}\)の最小値を求めよ.\((t>1)\)
答え
与式=\(\displaystyle \frac{1}{2}\left(\frac{t^{2}+2t+1}{t-1}\right)\)\(=\displaystyle \frac{1}{2}\left(\frac{(t-1)(t+3)+4}{t-1}\right)\)←上を(分母と同じ)×(整式)+定数項に変形する.そうしないとできない.
\(=\displaystyle \frac{1}{2}\left((t-1)+\frac{4}{t-1}\right)+2\)\(\displaystyle \geqq\sqrt{(t-1)\cdot\frac{4}{t-1}}+2=4\)
よって最小値は4で,等号成立は\((t-1)^{2}=4\) つまり\(t=3\)のときである.
この答えを見てどれくらい解法が分かっただろう?初めてみるやつもあるだろう.この時に考えて思いつくものはありますか?段階として,
1,最小値+式の形→相加相乗平均が使えるかも.
2,式を相加相乗平均が使える形に変形する.
となりますが,2のやり方は教科書にもなかなか載っていません.つまり,やっていてなかなか思いつくものではありません.だからはじめのうちにはこのような基本的な問題(頻出問題)は覚えておくというのがいいのです.ただ覚えるときはしっかり1,2のように解き方には流れがあるので,そこに集中して覚えましょう.
ポイント(大元)
問題を解くのにまず基本問題(頻出問題)を覚えよ.
次に本格的な問題を順を追えるような形で分割して解いていきます.
問
(この問題は短縮された形で上級者の入試問題(こちら)に載っています.)

\(AB=AC\),\(\angle ABC=\beta\)のとき,
①\(△ABC\)について,\(\angle BAC=\alpha\)とおいて,\(\alpha, \beta\)の関係を求めよ.
②\(AE=x\),\(BD=y\)とおいて\(x,y,\alpha,\beta\)を使って\(△DEF\)の面積\(S'\)と\(△ABC\)の\(S\)をあらわせ.
③\(△DEF\)の面積\(S'\)は\(△ABC\)の\(S\)の何倍か?\(\tan \)と\(\beta\)であらわせ.
④③において,何倍が最小値となるか?答えよ.
まず,図形の問題は角度と長さが問題となってくるので,それをしっかり文字で置くようにする.(実際上級者のほうは①②は省略されている.)それから図を書いておくと関係が一目でわかるので必ず書くこと.
ポイント
それぞれの問題に応じて条件(関係)などを書きつくせ.(ここでは図形なので角度長さについて書きつくす.)そしてその条件のもとで問題を解く.
①この問題は内角の和は\(180^{\circ}\)で,\(△ABC\)は二等辺三角形であることを使えば,\(\alpha=180^{\circ}−2\beta\)(条件)
②次に図に与えられたものを書いていくと

ここからは図形の基本問題でやってきた図形の関係式をしっかりと見ることです.また,公式もお忘れなく.
まず,\(△ABC\)について
\(△ABCのS=ABAC\displaystyle \frac{\sin \alpha}{2}\)←三角形の面積の公式
\(=2x^{2}\cos ^{2}\beta \sin \alpha\)(∵\(AB=AC=2x\cos \beta\))
\(=2x^{2}\cos ^{2}\beta \sin 2\beta\) (∵\(\sin \alpha=\sin (180^{\circ}−2\beta)=\sin 2\beta\)
もしくは\(△ABC\)の\(S=ABBC\displaystyle \frac{\sin \beta}{2}\)
\(=2xy\sin \beta \cos \beta \cos \alpha\)(∵\(AB=2x\cos \beta\), \(BC=2y\cos \alpha\))
\(=2xy\sin \beta \cos \beta \cos 2\beta\) (∵\(\cos \alpha=\cos (180^{\circ}−2\beta)=−\cos 2\beta\))
\(y\)は\(△DEF\)を求めてから③を考えるのに必要なので,本来の求め方とは順序が違う.[]の部分は③以降で議論するとよい.
[次に\(y\)について求める.
\(BC=2y\cos \alpha\),\(△ABC\sim △EAC\)より,\(AC:BC=EC:AC\)
∴\(BC=4x\cos ^{2}\beta\)
∴\(y=\displaystyle \frac{2x\cos ^{2}\beta}{\cos \alpha}\)\(=-\displaystyle \frac{2x\cos ^{2}\beta}{\cos 2\beta}\)(∵\(\cos \alpha=\cos (180^{\circ}−2\beta)=−\cos 2\beta\))(条件)]
\(△DEF\)の\(S=EDEF\displaystyle \frac{\sin \alpha}{2}\)
\(=(x+y)\displaystyle \cdot 2x\frac{\sin \alpha}{2}\)
\([=x^{2}(1-\displaystyle \frac{2\cos ^{2}\beta}{\cos 2\beta})\sin \alpha\)
\(=-\displaystyle \frac{x^{2}\sin \alpha(2\cos ^{2}\beta-\cos 2\beta)}{\cos 2\beta}]\)
ここではいろいろな表し方がある.結局③で答えがあえばよい.
③
\(\displaystyle \frac{S^{\prime}}{S}=\frac{-\frac{x^{2}\sin \alpha(2\cos ^{2}\beta-\cos 2\beta)}{\cos 2\beta}}{2x^{2}\cos ^{2}\beta \sin \alpha}\)\(=\displaystyle -\frac{(2\cos ^{2}\beta-2\cos ^{2}\beta+1)}{2\cos ^{2}\beta(2\cos ^{2}\beta-1)}\)\(=\displaystyle \frac{1}{2\cos ^{2}\beta(1-2\cos ^{2}\beta)}\)
ここで,\(\tan ^{2}\displaystyle \beta+1=\frac{1}{\cos ^{2}\beta}\)を使えば,←三角関数の公式
与式=\(\displaystyle \frac{(\tan ^{2}\beta+1)^{2}}{2(\tan ^{2}\beta-1)}\)
ポイント
条件を書いたら,公式を使って求めるものを求めていく.
④
最後に最小値を解くのだが,わかりにくいものは文字でおくことでわかりやすくなる.
ここで\(\tan ^{2}\beta=t\)とおく.\(t\)の範囲については\(180^{\circ}=2\beta+\alpha\),\(2\alpha<180^{\circ}\)から,\(45^{\circ}<\beta<90^{\circ}\)
よって\(t>1\)
条件は\(\displaystyle \frac{(t+1)^{2}}{2(t-1)}\)の最小値を求めよ.\((t>1)\)
と同じになる.
よって最小値は4で\(t=3\)の時等号成立.
ポイント
難しい問題もかみ砕いていけば,やったことのある問題ばっかりになる.ただ意識しなくても自然と部分に分かれる.しっかりと与えられた条件・公式をつかい新たな条件を求め,さらにそこから次の条件…となり,答えにたどりつくから,関係式を書き下していけば途中から方針が見えることはよくある.だからあきらめず思いつく限り書いていくとよい.