MATH

小休止

コラム:図形問題の解き方について


¶図形問題

図形問題はさまざまな解き方があります.
①図形を言われたようにそのまま描き,そのまま解く.
②座標を設定し,点や直線などを数値計算して解く.
③ベクトルで解く.(①と②に絡む.)

※一般的に言えることとして,図をしっかりと描いて条件を書きこんで,あとは条件式や長さ,角度などをどんどん求めていってください.(このときに自分で文字を置いて計算することが多い.文字を置くことに慣れていない人がいるので,積極的に使って慣れましょう.たいてい1,2個は文字を置くことが多いです.)つまったらもう一度求めるものを見て先ほど求めた条件などを見比べること.後は…センスと(多分)イメージ力です.勘を働かせることも大事です.
ほかにもあると思います.それでは問題を早速見ていくことにしましょう.


問題1(①)
(2006 京都女子大)
正方形\(ABCD\)の内部に点\(P\)をとり,\(\angle PAD=30^{\circ}\)とする.
(1)\(\angle PDC=15^{\circ}\)のとき,\(\angle PBC=30^{\circ}\)であることを示せ.
(2)(1)に基づき\(\tan15^{\circ}\)を求めよ.
(3)\(\angle PBC=\alpha,\angle PDC=\beta\)とおくとき,\(\tan\alpha\)と\(\tan\beta\)の関係式を導け.
(4)(3)において,\(\alpha<\beta\)となるような\(\alpha\)の値の範囲を決めよ.

解説
はじめは計算よりも理論よりも図形を読み取る力が大事になるかもしれません.ここで(1)で角度のことを聞いていますが,絶対に長さについても使う”はず”ですので,(これは勘)文字を置きましょう.あとは順々にやっていけばできると思います.(4)はただの計算です.

解答
(1)図を描くとこのようになる.


まず\(AD=a\)とおく.\(\angle ADP=75^{\circ}\)より,\(\angle APD=75^{\circ}\)
よって\(AD=AP=a\),また\(\angle PAB=60^{\circ}\) \(AP=AB=a\)より,三角形\(ABP\)は正三角形.よって\(\angle PBA=60^{\circ}\)
∴\(\angle PBC=30^{\circ}\)となる.

(2)\(P\)から\(AD\)に垂線\(PH\),\(CD\)に垂線\(PH\)を引く.すると,\(AH+PH=a\)で,\(AH=\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}a\),また\(DH^{\prime}=\displaystyle \frac{1}{2}a\)
よって\(\tan15^{\circ}=\displaystyle \frac{PH^{\prime}}{DH^{\prime}}\)\(=\displaystyle \frac{a-\frac{\sqrt{3}}{2}a}{\frac{1}{2}a}=2-\sqrt{3}\)

(3)


今度は\(P\)から\(BC\)に垂線\(PH\),\(CD\)に垂線\(PH\)を引く
\(\displaystyle \tan\alpha=\frac{PH}{BH}\),\(\displaystyle \tan\beta=\frac{PH^{\prime}}{DH^{\prime}}\)となる.
\(PA=x\)とおくと,\(\displaystyle BH=\displaystyle \frac{\sqrt{3}}{2}x\),\(\displaystyle PH=a-\frac{1}{2}x\),\(\displaystyle DH^{\prime}=\frac{1}{2}x\),\(\displaystyle PH^{\prime}=a-\frac{\sqrt{3}}{2}x\)となる.
よって\(\displaystyle \tan\alpha=\frac{a-\frac{1}{2}x}{\frac{\sqrt{3}}{2}x}\)\(=\displaystyle \displaystyle \frac{2}{\sqrt{3}}\frac{a}{x}-\frac{1}{\sqrt{3}}\),\(\displaystyle \tan\beta=\frac{a-\frac{\sqrt{3}}{2}x}{\frac{1}{2}x}=2\frac{a}{x}-\sqrt{3}\)
よって\(\displaystyle \frac{a}{x}\)を消去すると,\(\sqrt{3}\tan\alpha=\tan\beta+\sqrt{3}-1\)

(4)
\(\displaystyle 0 \leqq\alpha\leqq\frac{\pi}{2}\),\(\displaystyle 0\leqq\beta\leqq\frac{\pi}{2}\)から\(\alpha<\beta\) ⇔ \(\tan\alpha<\tan\beta\)
これで(3)の式を代入する.
\(\displaystyle \tan\alpha<\sqrt{3}\tan\alpha-\sqrt{3}+1\) \(\Leftrightarrow\) \((\sqrt{3}-1)\tan\alpha>\sqrt{3}-1\) \(\Leftrightarrow\) \(\tan\alpha>1\) \(\Leftrightarrow\) \(\displaystyle \alpha>\frac{\pi}{4}\)
また\(0\displaystyle \leqq\alpha\leqq\frac{\pi}{2}\),\(\displaystyle 0\leqq\beta\leqq\frac{\pi}{2}\),\(\alpha<\beta\)から答えは\(\displaystyle \frac{\pi}{4}<\alpha<\frac{\pi}{2}\)


見てもらった通り,はじめの※に書いてあることをふんだんに使っています.よって今後もしっかりとなれていってください.


問題2(②)
(出典不明)
三角形\(ABC\)において重心\(G\)を通る直線\(ST\)に向かって各頂点から垂線\(AH,BI,CJ\)を引く.このとき,\(AH=BI+CJ\)が成り立つことを示せ.

解説
この問題は一見して難しそうですが,図を描いて,座標をうまく設定するとかなり楽な計算で解けるようになります.

解答

まず直線\(ST\)を\(x\)軸とみなし,\(xy\)平面を考える.\(A(x_{a},y_{a})\),\(B(x_{b},y_{b})\),\(C(x_{c},y_{c})\)となるようにおく.すると,\(AH=y_{a}\),\(BI=-y_{b}\),\(CJ=-y_{c}\)となる.
ここで,重心\(G\)が\(x\)軸に乗っているので,\(y\)座標が0となる.よって\(\displaystyle \frac{y_{a}+y_{b}+y_{c}}{3}=0\)となる.これより,\(y_{a}=-y_{b}-y_{c}\) ⇔ \(AH=BI+CJ\)となる.