上級者
関数
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ヒント:①はまず解と係数から考えよう.③は数列と書いてあるが,基本的に整数の余りの問題や自然数を\(ak+1,\cdots,ak+(a-1),ak+a\)(\(a\)はある倍数,\(k\geqq 0\))で表せることを考えよう.
問題 (オリジナル)
\(x^{4}+ax^{3}+bx^{2}+cx=0\)の解を\(\alpha\),\(\beta\),\(\gamma\),\(0\)とすると,
\(\displaystyle \frac{1}{\alpha+\beta+\gamma}=\frac{1}{\alpha\beta}+\frac{1}{\beta\gamma}+\frac{1}{\gamma\alpha}\)\(=\displaystyle \frac{1}{\alpha}+\frac{1}{\beta}+\frac{1}{\gamma}\)が成り立っている.
① \(f(x)=x^{4}+ax^{3}+bx^{2}+cx\)と置く.\(f(x)=0\)が異なる3つの実数解を持つ時,\(f(x)\)を求めよ.
② \(f(x)=0\)が4つの異なる実数解を持つときの\(a\)の範囲を求めよ.また一つの解を2とするとき,\(f(x)\)を求めよ.
③ ①のとき\(n\)を整数とする時,\(f(n)\)は12で割ると余りが6か0になることを示せ.また余りが6になるときを\(n\)の値が小さい順から\(k_{1},k_{2},\cdots\)とするとき,数列\(k_{i}\)を求めよ.
解答
① \(\displaystyle \frac{1}{\alpha+\beta+\gamma}\)\(=\displaystyle\frac{1}{\alpha\beta}+\frac{1}{\beta\gamma}+\frac{1}{\gamma\alpha}\)\(=\displaystyle\frac{1}{\alpha}+\frac{1}{\beta}+\frac{1}{\gamma}\)から\(\alpha+\beta+\gamma=t\)とおくと
\(\alpha+\beta+\gamma=t\)
\(\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha=t\)
\(\alpha\beta\gamma=t^{2}\)となる.
よって\(f(x)=x^{4}-tx^{3}+tx^{2}-t^{2}x\)とおける.
(1) \(g(x)=x^{3}-tx^{2}+tx-t^{2}\)とおく.
(i) \(g(0)=0\)のとき,\(t=0\)
\(∴g(x)=x^{3}\)
これは異なる3つの実数解ではないため不適.
(ii)\(g(0)\neq 0\)のとき
\(g(x)=(x^{2}+t)(x-t)=0\) ⇔ \(x=\pm\sqrt{-t},t\)で異なる2つの実数解持つときに成り立つ.
(A) \(\sqrt{-t}=t\) ⇔ \(t=0\) これは不適.
(B) \(-\sqrt{-t}=t\) ⇔ \(t=0,−1\) これから\(t=−1\)
よって,\(f(x)=x^{4}+x^{3}-x^{2}-x\)
② \(f(x)=x^{4}-tx^{3}+tx^{2}-t^{2}x=x(x^{2}+t)(x-t)\)
4つの異なる実数解をもつときはまず,\(x=\pm\sqrt{-t},t\)から\(-t>0\) ⇔ \(t<0\)
また,(1)より,\(t \neq −1\)
よって\(t<−1\),\(−1<t<0\)
また\(a=−t\)なので,\(0<a<1\),\(a>1\)
また一つの解を2とするとき,\(x=\pm\sqrt{-t},t\)から\(t=2,−4\)
\(t=2\)のとき,\(f(x)=x(x^{2}+2)(x-2)\)
これは4つの異なる実数解をもたないので不適.
\(t=-4\)のとき,\(f(x)=(x−2)x(x+2)(x+4)\)
これは条件を満たすので答えはこれ.
③ \(f(n)=n^{4}+n^{3}-n^{2}-n\) ⇔ \(f(n)=(n−1)n(n+1)(n+2)\)
ここで,12で割った商を\(p\),余りを\(q\)と置くと,\(f(n)=(n−1)n(n+1)(n+2)\)\(=12p+q\) (\(0≦q<12\), \(p,q\)は整数)と置ける.
次に\((n−1)n(n+1)\)は連続する3整数なので6の倍数と置ける.よって,\((n−1)n(n+1)=6l\) (\(l\)は整数)を\(f(n)\)に代入すると,
\(6l(n+1)=12p+q=6\left(2p+\displaystyle \frac{q}{6}\right)\) ⇔ \(l(n+1)=2p+\displaystyle \frac{q}{6}\)で\(l,n+1,2p\)は整数なので,\(\displaystyle \frac{q}{6}\)は整数.
よって\(q=0,6\) よって12で割った余りは0か6
次に余りが6になるとき
\(l(n+1)=2p+1\)=奇数
\(∴n+1,l\)は奇数
\(∴(n−1)n(n+1)\)=奇数×偶数×奇数
よって\(n=2k\) \((k>1)\)
これより\((2k−1)2k(2k+1)=6\times l\) ⇔ \((2k−1)k(2k+1)=3\times l\)=奇数
よって\(k=2r+1\) \((r>0)\)とおける.左辺は以下のようになる.
\((4r+1)(2r+1)(4r+3)\)
ここで,\(r=3a,3a+1,3a+2\) \((a>0)\)について調べる.
\(r=3a\)のとき,\(4r+3=3(4a+1)\)
\(r=3a+1\)のとき,\(2r+1=3(2a+1)\)
\(r=3a+2\)のとき,\(4r+1=3(4a+3)\)
よって\(3\times l\) (\(l\)は奇数)を満たしている.
よってこれは条件の数列に一致している.
以上から\(n=k_{i}=2(2i+1)\)