上級者
数学A:整数
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ヒント:互いに素であることや,値の大小の違いを利用して場合分けを少なくしていこう.
問題
以下の式を満たす素数\(p,q\)を求めよ.(オリジナル)
(1) \(\displaystyle \sum_{k=1}^{n}k^2=p\)
(2) \(\displaystyle \sum_{k=1}^{n}k^2=pq\) \((p<q)\)
解答
\(\displaystyle \sum_{k=1}^{n}k^2\)\(=\displaystyle \frac{1}{6}n(n+1)(2n+1)\)
(1)
\(n(n+1)(2n+1)=2\times3\times p\)
ここで,因数\(1,2,3,p\)を\(n\),\(n+1\),\(2n+1\)のいずれかに分ければよいが,\(n\),\(n+1\),\(2n+1\)は互いに素である(※)ため,因数の分け方について\(p=2\)の場合は,例えば\(1,2,6\)のように2の因数が分かれることはなく,\(p=3\)の時も同様である.
また\(n<n+1<2n+1\)なので,3つの因数の小さい順に示した場合,値をそのまま当てはめることができる.
\(p=2\)の場合,因数の小さい順に\(1,3,4\)と分けることができるが,当てはまる\(n\)はない.
\(p=3\)の場合,因数の小さい順に\(1,2,9\)と分けることができるが,当てはまる\(n\)はない.
\(p\geqq 5\)の場合,因数の小さい順に\(1,2,3p\),\(1,3,2p\),\(1,p,6\),\(2,3,p\)と分けることができ,当てはまる\(n\)は\(n=2\)であり,\(p=5\)である.
(2)
\(n(n+1)(2n+1)=2\times3\times p\times q\)
ここで,因数\(1,2,3,p,q\)を\(n\),\(n+1\),\(2n+1\)のいずれかに分ければよい.
因数の分け方について,(1)と同じ考えに基づき,可能性のある場合を考える.
またパターンとして,\(n,n+1\)が連続する整数となることも因数を分ける時の条件として含める.
\(p=2\)の場合,因数を場合分けした場合,\(3,4,q\)のみ当てはまる.この時に当てはまる\(n\)は\(n=3\)であり,\(q=7\)である.
\(p=3\)の場合,因数の小さい順に\(1,q,18\)と\(1,2,9q\)と分けることができるが,当てはまる\(n\)はない.
\(p\geqq 5\)の場合,因数を\(1,2,3pq\)と\(2,3,pq\)と\(p,6,q\)と\(6,p,q\)と分けることができ,当てはまる\(n\)は\(n=5,6\)であり,\((p,q)\)\(=(5,11)\),\((7,13)\)である.
以上より,\((p,q)\)\(=(2,7)\),\((5,11)\),\((7,13)\)
※互いに素な点について
正の整数\(n\)と\(n+1\)が1以外の共通因数\(g\)を持つとすると,
\(n=ga\),\(n+1=gb\)と置ける.(\(a,b\)は整数)
ここで,\(g(b-a)=1\)で\(g=1\)となるので,仮定である共通因数\(g\)を持つに矛盾.
よって,\(n\)と\(n+1\)は互いに素である.
正の整数\(n\)と\(2n+1\)が1以外の共通因数\(g\)を持つとすると,
\(n=ga\),\(2n+1=gb\)と置ける.(\(a,b\)は整数)
ここで,\(g(b-2a)=1\)で\(g=1\)となるので,仮定である共通因数\(g\)を持つに矛盾.
よって,\(n\)と\(2n+1\)は互いに素である.
正の整数\(n+1\)と\(2n+1\)が1以外の共通因数\(g\)を持つとすると,
\(n+1=ga\),\(2n+1=gb\)と置ける.(\(a,b\)は整数)
ここで,\(g(2a-b)=1\)で\(g=1\)となるので,仮定である共通因数\(g\)を持つに矛盾.
よって,\(n+1\)と\(2n+1\)は互いに素である.