MATH

上級者

数学A:整数

ヒント:考えうる全ての場合について,余弦定理で成り立つ式を作って,素数,整数の性質を使おう.今回は特に偶奇,正の整数を考えよう.

問題(オリジナル)
三角形の辺の長さが\(p\),\(p+2\),\(q\)で,いずれかの角度が\(60^{\circ}\)となる.\(p,q\)が素数の時,\(p,q\)を求めよ.

解答
\(AB=p\),\(BC=p+2\),\(CA=q\)と置く.
(A)\(\angle A=60^{\circ}\)の時,
余弦定理より,\(p^2+q^2-pq\)\(=(p+2)^2\)\(\Leftrightarrow\)\(q(q-p)\)\(=4(p+1)\)
\(q=2\)の時,\(2-p=2(p+1)\)で成立する\(p\)は存在しない.
\(q\neq 2\)の時,\(q\)は奇数なので,\(q-p=4a\)と置くと,\(qa=p+1\)となる(\(a\)は正の整数).
\(p\)を消去すると,\(qa=q-4a+1\)\(\Leftrightarrow\)\(\displaystyle q=\frac{-4a+1}{a-1}\)
\(a\)は自然数なので,成立する\(q\)は存在しない.

(B)\(\angle B=60^{\circ}\)の時,
余弦定理より,\(p^2+(p+2)^2-p(p+2)\)\(=q^2\)\(\Leftrightarrow\)\((q+p)(q-p)\)\(=2(p+2)\)
\(p=2\)の時,\(q^2=12\)なので,成立する\(q\)は存在しない.
\(p\neq 2\)の時,\(p\)は奇数なので,\((q+p)(q-p)\)=2×奇数だが,\((q+p,q-p)\)は偶数,偶数もしくは奇数,奇数なので,成立する\(q\)は存在しない.

(C)\(\angle C=60^{\circ}\)の時,
余弦定理より,\(q^2+(p+2)^2-q(p+2)\)\(=p^2\)\(\Leftrightarrow\)\(q(p+2-q)\)\(=4(p+1)\)
\(q=2\)の時,\(p=2(p+1)\)で成立する\(p\)は存在しない.
\(q\neq 2\)の時,\(q\)は奇数なので,\(p+2-q=4a\)と置くと,\(qa=p+1\)となる(\(a\)は正の整数).
\(p\)を消去すると,\(qa+1-q=4a\)\(\Leftrightarrow\)\(\displaystyle q=\frac{4a-1}{a-1}\)\(\Leftrightarrow\)\(\displaystyle q=4+\frac{3}{a-1}\)
これで成立する\(a\)は\(a=2,4\)で,それぞれ\((a,p,q)\)\(=(2,7,13)\),\((4,5,19)\)となる.
この中で三角形が成立するのは\((p,q)\)\(=(7,13)\)のみである.
(\((p,q)\)\(=(5,19)\)の時は,5+7<19で三角形として成り立たない)