MATH

上級者

数学A:整数

ヒント:1.整数問題でよく分からない場合は,まずは具体的な値を与えて規則性や答えを見つけよう.
2.倍数を考えよう.今回の場合は偶奇で範囲を絞ることができる.自然数は,\(a\)をある倍数として,\(ak+1,…,ak+(a−1),ak+a,~~(k≧0)\)と表現できる.

問題

(1)\(n^{m}-n!=2\cdots①\)が成り立つ自然数\(m,n\)を求めよ.(オリジナル)

(2)\(p,q\)は\(q>p\)となる素数である時,\(n^{q}-n!=p\cdots②\)が成り立つ自然数\(n\)は存在しないことを示せ.(オリジナル)


(1)は因数分解で簡単に解ける.(2)はフェルマの小定理を使えば終わりですが,高校範囲内で教えないため,基本的に入試問題には出ません.(ただし,フェルマの小定理を証明させてから,解かせたりする問題はある)


解答

(1)
\(n^{m}-n!=2 \Leftrightarrow n(n^{m-1}-(n-1)!)=2\)
ここで,\(n,m\)は自然数より,\(n,n^{m-1}-(n-1)!\)は自然数.
よって,\(n=1,2\)のみ成立する.
\(n=1\)の時,①式の左辺は0となるため不適.
\(n=2\)の時,\(①\Leftrightarrow 2^{m}-2!=2\)より,\(m=2\)
以上より,答えは\((m,n)=(2,2\))

(2)
\(n^{q}-n!=p \Leftrightarrow n(n^{q-1}-(n-1)!)=p\)
\(p\)は素数より,\(n=1,p\)のみ成立する.
\(n=1\)の時,(1)と同じく不適.
\(n=p\)の時,\(p^{q-1}-(p-1)!=1\)
ここで,\(q\)は素数,\(q>p\)より\(p,q\)は互いに素であることから,フェルマの小定理より,\(p^{q-1}\equiv 1(\mod q)\)
ここで\(q>p\)より,\((p-1)!\)の中に\(q\)の因数は存在しない.
よって,\(p^{q-1}-(p-1)!=1\)は成立しない.
以上より,題意は示された.

※ちなみに,\(n^{m}-n!=n\)が成り立つ自然数\(m,n\)として,
\((m,n)=(2,2),(2,3),(3,5)\)は存在するが,他に存在するか不明.