MATH

中級者

数学A:整数,図形

ヒント:適切な問題設定を行って,条件式を書き上げていこう.

問題:三角形の面積が整数の時,全ての辺の長さが奇数にならないことを示せ.(オリジナル)


解答:
全ての辺の長さが奇数であると仮定し,三角形の面積が整数の時に,ある辺の長さが必ず偶数であることを示せばよい.
始めに三角形\(ABC\)の\(BC\)上に\(A\)から引いた垂線と交わる点\(H\)を取る.また,\(BC=a\),\(BH=a_{1}\),\(CH=a_{2}\),\(CA=b\),\(AB=c\)とおく.
まず,\(a=a_{1}+a_{2}\)は奇数であり,対称性より,\(a_{1}\)を奇数,\(a_{2}\)を偶数と置いてもよい.
次に三角形\(ABC\)の面積\(S\)は,\(\displaystyle S=\frac{1}{2}ah\)となる.
ここで\(a\)が奇数であり,面積\(S\)が整数であるため,\(h\)は偶数となる.
また三平方の定理より,\(b^2=a_{2}^2+h^2\)が成り立つが,\(a_{2}^2+h^2\)が偶数であるため,\(b\)が奇数であることと矛盾する.よって,全ての辺の長さが奇数であるという仮定が間違いであることが示された.
よって,三角形の面積が整数の時,全ての辺の長さが奇数にならない.